どこそこのだれそれが彼女に惚れてるだの、 どこそこの司令部の将軍の息子との見合い話が舞い込んでるだの、 上司とは違った意味で艶聞に事欠かなかった彼女。 上司を介して見合い話は持ち込まれるから、 准将はいつも彼女に「今度はどうする?」と冗談めかして確認していて。 その度に彼女は 「まだ半分もきていないのではないですか・・?」 と准将に逆に尋ねては、暗に断ってくれと言っていた。 ・・・それが、本当の理由かどうかは俺たちのあずかり知らぬ事で。 プロポーズ 1-(2) 大将と出会うまでの、准将とこの女性の間に どういう関係があったのかは知らない。 が、彼女の滅私奉公には、 少なからず上司への慕情があるのだと俺たちはなんとなく思っていて。 だけど、大将が現れて。 目に見えてあの人が大将に魅かれて行くのが俺達にも、 そして彼女にもわかっていたと思う。 (年の差も、 其の頃はまだ大将は少年と偽っていたので性別も、それこそものともせずに) その存在は、 なんとなく、准将と彼女は あの人の野望が成就したらゴールインするだろう と思っていた 俺達の感情をあっさりと覆してしまった。 大将は。 俺達からみても、まるであの人の為に生まれてきたような女で。 准将も、 大将にいずれ出会うのがわかっていたからこそ、 今まで恋が出来なかったのだと。 そう納得してしまう程、お互いの為に用意されたと思える二人。 そして、彼女は上司の恋を応援して。 だけど、彼女は。 恋心を抱えたままで。 ・・・おそらくあの人も気づいていて。 だけど、 彼女の、准将に対する忠義に対して、 あの人は上を目指すことでしか報いる事が出来なくて。 彼女もそれしか望んでなくて。 彼女が望んでいるものは、男としての、彼女に対しての愛情ではなくて。 だからではないけど、俺たちは彼女にアプローチしなかった。 アタックしてくるのはもっぱら外の奴らで。 それがいけなかったのだろうか。 他の奴らに目を向くヒマを与えなかったのは、俺達のせい・・? |